宇宙

宇宙で好きなのがダークマターの話で、私たちが知覚できるのは世界の5%でそれ以外の95%はなんだか分からないものだということ。
宇宙には私たち人間には触れない、聞こえない、見えない生命体がいたら面白いなと思うそれを生命体として人間が認知するかは別として。 

昔そんなようなことをお話しにしたことがある。人間の住む場所と、触れない、見えない何かの住む場所が重なっている町の話。何かが住んでいることはみんな当たり前のように知っていて、その町では人間の出す音以外に色々な音がする。それが見えない何かの声なのか感情なのか全く別の何かなのか誰も知らない。人間の主人公はその街に小さな頃から住んでいて、自分の部屋の隅っこでたまに聞こえる鈴の音を友達のように思っている。コミュニケーションは取れない、ただ一方的に抱く愛着で意味を与える物語みたいなものを書きたかった。
最後は町中にファンファーレのような音が三日三晩鳴り続けて、人間たちは見えない何かのことをちょっとだけ気にかける。お祭りだったんだとか戦争があったんだとか色々なことをみんな噂するけど、本当のことは誰も分からないしすぐに忘れてしまう。主人公だけが部屋の隅の鈴の音が聞こえなくなったことで自分の大事な何かが永久的に失われたことを知るというようなちょっと悲しい話。

5%のことを思うと、人間は人間の脳みそ以上のことは考えられないと思うと、道端の蟻と横並びになったような全部どうでもいい気持ちになるので、落ち込んだ時はダークマターを思う。

な瓶

イラストレーター、絵本作家 yoggのホームページです。 お仕事のご連絡はTwitter DMにてご連絡ください。 イラストレーターズ通信会員 Twitter @gomanoomoch1

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